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呼子のイカ東京上陸作戦

〜これまでの軌跡〜
第三回搬送実証実験
『新型水槽で東京築地市場へ長距離搬送成功!』  2007.07.02
06年度から始まったワイビーエムサービス・唐津市・九州大学・佐賀県玄海漁連・呼子漁協などの団体で取り組む「水産物保全・蓄養技術開発事業」 は昨秋に続き、7/2〜7/3に3度目の搬送技術実証実験を行いました。 今回は呼子港から東京築地まで1300kmという長距離搬送です。 あいにくの時化続きで前日の出漁は厳しく、前々日水揚げされたイカを搬送することになりました。 今までは、当日水揚げ分をその場で活魚車に積み込み九州内を配送するのが限度でしたが 呼子漁協所有の5トン水槽にもワイビーエムのフォームジェット・マリンフレッシュ・冷却器を設置してるからこそ成せる技なのです。
2007.07.02 04:30 「イカ200杯準備」
 呼子湾内の水温はすでに23℃と高く、活イカを長時間搬送できる温度ではありません。トラック内の搬送用水槽は昨年試験した水槽を一部改良したものと、新型水槽の2基に各100杯、合計200杯の搬送。水槽に呼子湾の海水を汲み上げ、出発予定の15:00までに水温をイカが沈静化する温度まで下げないといけません。同時に、5トン水槽の水も下げ、移槽時のストレスを与えないように細心の注意が必要です。
2007.07.02 15:40 「期待を乗せて出発」
予定より30分遅れて大勢の関係者達の期待を載せて呼子港をいざ出発。開発の担当者と私は、保冷庫内に乗り込み最初の勝負所である出発1時間までのイカが一気に排泄するヌメリなど確認。マリンフレッシュから排出する泡沫(水中の汚濁物)量など微調整。まるで、スペースシャトル内クルーの作業のように配管部・接続部・電気配線・各ポンプ・全てをチェックし良好であることを確認しました。
順調に第1回停車の九州道古賀SAに着き水質検査。イカたちも機嫌よく呼子の水槽と思って泳いでいます。 二人は運転席に移りやっと一息つくことが出来ました。
2007.07.02 23:00〜 「時化(しけ)よりコワい大渋滞」
その後も順調に第2回・3回とチェックポイントを通過し、山陽道を快走。イカも元気元気!今度はイケル!と思った矢先に大渋滞。場所は広島県西条IC近く。なんと大型車事故!通行止!すぐに動き出すだろうと軽く考えていると、待てども待てども1メートルも進まない。時間だけがどんどん進むが動く気配なし。やっと動き出したのはすでに日にちが変わった夜中の02:30。(3.5時間の足止め) ドライバーさんも「こんなことはめったにない」と語るほどでした。
気を取り戻し、目指せ大江戸へ。我われだけでなくテレビ2局の人たちも奮起した。 その後は、阪神高速道、名神高速道で出勤ラッシュでスピードダウンしながらも車はいよいよ東名高速へ向かいます。
2007.07.03 12:45 「築地市場に到着」
報道陣・築地大卸・中卸業者など大勢の出迎えの中、21時間1300qを見事に乗り越えて築地市場到着。 当日は築地に弊社会長、顧問も到着を心待ちにしていましたが、4時間の到着遅れで結局間に合わなかったが残念でした。旧型水槽のイカに弱りがあったものの新型水槽のイカは透明で元気が良く、まるで呼子の海で泳いでいるかのようでした。
築地市場関係者からも「これはいいよ」(東京弁)の声がでたのを私は聞き逃さなかった。 その後「呼子イカ内覧会」及び「呼子イカ試食会」が行われ、中卸業者・都内の高級料亭の料理人・マスコミ関係に呼子イカを 十分に宣伝できました。これこそワイビーエム製噴流層「マリンフレッシュ」があったればこそ!!と再確認した瞬間でした。
2007.07.04 04:00 「呼子活イカ築地市場初セリ」
「昨日より逆に元気になったよ」と、生き残るかなと心配されていたイカたちも元気な様子。魚市場ならではの威勢のいいせりが始まり、40番目くらいに聞き取りにくい独特の掛け声が「呼子イカ!呼子イカ!」とせり声が響く。 何人もの中卸から手が挙がるものの誰にいくらでなのかは、素人目では全く理解できませんでした。
あとで聞けば1,300円/杯・5,200円/sとのこと。九州最高値を大幅に上回りました。今後は、築地の活魚水槽から都内料亭まで、全ての水槽にマリンフレッシュを装備してアンモニア臭のしない呼子イカを提供できるようになって初めてブランド化が確立するものであろうと考えます。今回、呼子イカを確実に搬送できることを実証できました。しかし今後も更なる改良を続け、呼子イカのみならず多方面で噴流装置の拡販に繋げたいです。
 
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